第2回 大学入試数学 教材研修 報告

4月28日、平成最後の日曜日に第2回の大学入試数学教材研修を開きました!
おかげさまで大変盛り上がり、素晴らしい会となりました。
前回に引き続き、いらした先生方のおかげです。大感謝!!

第2回のテーマは「ベクトル」
高3生の前期授業で、入試問題レベルまで引き上げる教材をチームごとに作成しました。
今回の参加者は8名だったため、4名×2チーム。
全3回の授業で、1回の授業につき3題までという制限を設けたため、皆さんテーマ決めに苦労していたように思います。

でもすごいですね。
与えられた制限の中でかなり高いクオリティの教材を作り上げられていました。
特に第1回から参加の先生が、コツをつかんでおられるのが嬉しかったです。

結果、全3回の構成が
「平面ベクトルの基本」「平面ベクトルの応用と空間基礎」「空間ベクトルの応用」
のAチームと、
「分点・一次独立・内積」「平面ベクトルの図形への応用」「空間ベクトル」
のBチーム。
私は、「平面ベクトル」「空間ベクトル」「ベクトル方程式」という区切りでした。

前回の研修の時にも言ったのですが、どれが正解、ということではなく、
同じチームのメンバーが、一つの学校や塾予備校と考えたときに、そこで教える生徒にどのような力をつけてほしいのか?
という想いを持ち、数学の先生みんなで決めることに意味があります。

また、複数の先生方に、ご自身の授業で工夫されていることをプレゼンしていただきました。皆さん、本当に生徒想いで、熱い授業をされていることを嬉しく思います。私の元教え子にも反転授業についての熱い話をしてもらいました。

今回の研修を経て、教材づくりの重要さももちろんのこと、
私、岩崎が思う、以下2つのことがあります。

①研修に参加のメンバーが、良いクラスになっている。

大人に対して失礼ながら、参加された先生方が、私が教室運営が特にうまくいっていると思う予備校のクラスの生徒たちのようでした。
良いクラスは、生徒が自発的に動き、本人たちで授業をどう運営し、私をどのように平等に利用するかを彼ら自身が考えています。
個別に質問する順番を決めたり、皆で教え合った上で私に質問や説明を受けたいところをまとめておいたり。
そんなクラスのような動きをされていた印象です。

過去に東京都教職員研修センターで研修をしていた頃を思い出します。
当時、別の教科の予備校講師が同じフロアで研修をしているのが良く見える環境でした。
社会の先生がホワイトボードに向かって熱弁をふるわれ、参加の先生も一生懸命メモをとっていました。
一方私の研修教室はというと、先生たちが一生懸命教材を作る中、
私は回ってその様子を見て、ときにアドバイスをするという、手抜きと見られる可能性もある運営方法。
しかしながら参加した先生たちの評価は最高評価。

反転授業を始めて少し経ったころも思い出します。
生徒に演習や質問の仕合いをさせるとき、講義授業をしないことの怖さ。
これで良いのか?(講義をせず、私がゆとりを持ってこの時間を過ごして良いのか?)

先生は教えることに情熱を燃やし、自身が頑張ったことに満足というか、仕事をした感を持ちがちですが、
生徒が一生懸命、自身で得ることに向かえる環境を作り、そこにファシリテーターとして存在する先生の在り方が大切と、時間をかけて理解しました。
講義をしないことへの不安なんて要らないと。
生徒が主体となる授業を構成できれば、そして一人一人の作る解答の悪いところを直したり、議論したり。
良い講義をして先生が満足でも、生徒の作る解答の酷さに気づき、嫌というほど突っ込んであげなければ、生徒は伸びません。

自発的に学んで、講師をどのように活用し、生徒自分が伸びるのか。
その方向を与え、それを見守る。そんな存在が近年の私の授業スタイルであり、この研修会でもあります。
反転授業から生まれた、まさに「アクティブラーニング」。
生徒に恵まれ、研修に参加するメンバーに恵まれた、感謝の賜物です。

②学校と塾予備校が補完し合える関係になるべき。

学校の先生は、本当に大変。数学の先生だって、数学だけに時間を割けるわけじゃない。
そんな中でもこの場に参加して、向上心を持って、受験数学にしか時間を使っていない塾予備校講師と共に生徒のために受験指導を研究する。
私は塾予備校で(高2以下の)低学年を教える際、まずは学校の先生が与えたプリントや問題集を優先させます。
そしてそのサポートで定期テストで点数が取れるようになったとき、少しずつ入試を意識した私の「岩ちゃんのえんぷり」を併用させ、
さらに講義動画を活用して(学校の授業を先取りして)反転学習にシフトさせ、学校の成績も上位を安定させつつの、受験生の基盤を作る。
これをやっています。
学校の勉強をおろそかにして、受験勉強だけやろうなんて、ムシが良すぎます。
学校のことをしっかりできない人が、受験勉強なんてできません。「学校の勉強が大事」です。

予備校の集団授業は、概して低学年であっても受験用に予備校が決めた単元を進め、学校とは別にやることが増えます。
一方、映像を使って学校に合わせただけの勉強では、単元は合っているものの、多くはそれで終り。その後の目標は自身でしか解決できません。

結局、反転授業スタイルがベストと思います。
学校の先生が目指していることをこちらも理解してサポートして成績を上げ、余裕が出てきたら(映像を活用して)学校の勉強内容も先行INPUT、 学校を先取って寄り添う。

塾予備校の先生には自身の人気や評価だけでなく、学校と共存することを、より考えてほしい。 学校と塾予備校がお互いの良いところを補完できる関係になることが望ましい。

必ず今後、学校と塾予備校の壁を越えて共に幸せな数学教育が出来る環境づくりが出来るよう動きます!

参加された学校の先生、塾予備校の先生から刺激を受け、少し熱くなったので、この辺で。 (人のせい?)

今後も素晴らしい出会いを期待して。
頑張りますね。

第3回の開催も決定しています。新メンバーも、大歓迎です☆
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