前期第2週

我々予備校講師にとって、前期第1週(最初の授業)はとても重要。
集団授業においては、教室の空気を作ることから始めていく。

教室に入った際の生徒のやる気レベルがどうあれ、皆の気持ちが盛り上がるよう努力するのは必要条件。
そのために、教室に入った瞬間、その雰囲気から、自身の醸し出す雰囲気や話すことをマイナーチェンジする。
最初の瞬間の空気が、理想の反対なら、生徒は怖いかもしれないが、笑顔を見せず対応することもある。
最終的にはそういうスタートのクラスの方がむしろ最終的には勉強に燃え上がることもある。
ただ今年は特に、最初からやる気に満ちている顔に迎えられ、ありがたく感じている。

昨年度は個別授業がたいへん増えた。
集団授業のみの時代は、前期第1週(春期の場合もある)は必ず上記のような緊張感で一週間を過ごしていた。
本年度は集団授業の数が復活し、この緊張感を先週までは持っていた。

最初の授業は生徒との出会いであり、そこで信頼関係を結び、次の授業へつなげる場。
この一年を決めると言っても過言ではない。
第2週からは相手がわかっている分、生徒も講師も第1週よりは緊張する関係ではなくなる。

反転授業を始めてからは、実は第2週が大事。
第1週よりも前に反転授業の授業運営方法の説明を出来る環境にあればよいが、大抵第1週は、その説明に終始。
予習の仕方を事細かく指示し、生徒によってまちまちな予習内容のテキストや、こちらで準備した演習などを通して次回につなげる。

第2週。それは前回話した内容をもとに彼らがどれだけのことをやってくるか、それが明らかになる。
私が予習の分量のたたき台は示すが、彼らが可能かどうか?を確認する。そして予習量を第1回に生徒に決めてもらっている。
言ったとおりの内容をやってくる者。言い訳をしながら全部はできていない者。予定以上に驚くほどこなしてくる者。
ここからが本当の反転授業のスタート。

彼らがどれだけのモチベーションを持ってインプットしてくるかが勝負どころ。
予備校によって、クラスによって全く異なる。
そこでどれだけ、「驚くほどこなしてくる者」が幸せな受講をし、力がつきそうかを理解できるように運営し、他の生徒もそちらに促していく。
クラス全体が「自分にとって当たり前の勉強量」を増やすことが実力伸長、そして合格につながる。
自分にとっての「頑張った」がどれだけ相対的に見て大したことないか、目の当たりにし、ライバルに負けないという気持ちが芽生える。
これが集団授業の実力伸長最大のポイントである。

個別授業は勉強の質をチェックしてもらうのには最適。
しかしながらこの横のつながりで熱を上げるチャンスが減るところは勿体ない。
集団授業なら、横のつながりを持ちつつ、効率よく解説を済ませてしまえば、教室で個別授業レベルの指導が出来る。

やはり集団授業は楽しい。
もちろん、個別授業の魅力も感じており、さらにレベルアップしたい。

今年も頑張らねば♪

第2回 大学入試数学教材研修

先日3月31日には、第1回の大学入試数学教材研修を行いました。

かつて9年間、東京都教職員研修センターで行っていた教員研修。
特に教材研修の内容については当時最高評価をいただきました。
その内容をブラッシュアップし、このたび個人で開催させていただきました。

おかげさまで10名の皆さんにお集まりいただき、充実の時間を過ごせました。
皆さんのおかげで大変素晴らしい会になったことは間違いありません。
参加メンバーは、高校の先生の他、予備校講師・出版系の方や熱意ある大学生でした。

内容はシンプルで、教科書を終えた受験生を入試レベルに引き上げるための教材を皆で作成する、というもの。
第1回のテーマは、数学A「整数の性質」。
過去問を見て、良いと思う問題をかき集めるのではなく、
「整数の性質」のために使える限られた授業数の中で扱うべきテーマを最低限に絞り、
そのテーマに合う問題を選定していきます。

その単元で必要な重要かつ頻出の事項をしっかり整理することが必要になり、
一人の知識や好みに偏らせることなく、グループのメンバーで一緒に話し合いながら作成します。
最後にはグループごとの発表をし、他のグループのメンバーと質疑などで深めます。

もちろん私から、模範とまではいきませんが、一つの例を示しました。
併せて私が人生をかけて行っている(大げさ、でもない^^)「反転授業」についてもお話ししました。
卒業生が反転授業の良さと成果をスライドにまとめてきてくれていて、それも発表してもらいました。大変感動。 本当にありがとう!!

参加の先生に主催してもらい、懇親会も最高に盛り上がりました。

そんな第1回が素晴らしかったことに調子に乗り、第2回を開催します。
4月28日(日)15時半~19時40分、相模大野ユニコムプラザです。
第2回のテーマは数学B「ベクトル」
参加の皆さんから最も多かったリクエストです。

詳しくはこちらをご覧ください↓
https://kokucheese.com/event/index/561541/